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やらなければ救われないこともある


医師になった女性の復讐譚を描いた「アリスの棘」は、サスペンスタッチの医療ドラマという、珍しい作品です。
復讐譚は陰惨で救いのない話が多いですが、スタイリッシュでどこか救いのある映像にしているところが現代風といえます。

アリスの棘(トゲ)をhuluの無料お試しで視聴してみました。

死んだ父の汚名を晴らす為に

無実の罪を着せられ、医療過誤に見せかけて殺された父の復讐のため、医師になった女性の復讐譚を描いた「アリスの棘」は、サスペンスタッチの医療ドラマという、珍しい作品です。

死後に医薬品の横流しをしていたという虚偽の罪を着せられ、見知らぬ男や医師から責められつらい思いをしていた明日美が、努力をして医師になり、父を殺した医療チームに復讐を開始します。

真綿で首を締めるように相手を追い詰める方法や、周囲の人間を道具として使って復讐を完遂させる意志の強さが印象深いです。

復讐相手となるメンバーが、一癖も二癖もある為、主人公を応援したくなる人が多いでしょう。

彼らの悪行をついて半ば強引に復讐を遂げていく姿は、閉塞感のある世の中で爽快感を感じる人もいると思います。

最後まで復讐を遂げることができるのか、緊張感がたまりません。

復讐の先にある物は

仕事やプライベートで鬱屈している人には、最適なドラマといえます。

正攻法では父親の汚名を晴らすことができないこと、父親が合法的に殺されたことを許せない以上、黒幕に誘導されたとはいえ、彼女自身が復讐に手を染めたところが印象的です。

協力している新聞記者とはあくまでも協力関係であり、死んだ人の無念を晴らすためだけに行動しているところがオリジナリティを感じさせます。

スタイリッシュな演出や撮影方法の独特さも見どころです。

復讐譚は陰惨で救いのない話が多いですが、スタイリッシュでどこか救いのある映像にしているところが現代風といえます。

復讐を遂げることに特化しているけれど、それだけで本当に良いのか、迷いながらも突き進む主人公が印象的です。

出演者たちの演技力の高さは他のドラマにない迫力を感じさせてくれます。復讐譚を見たい人や、医師が悪役の医療ドラマを見たい人にもおすすめです。

参考リンク:アリスの棘

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食わず嫌いせずに見てみて


少女とホストの物語で、当時のTBSの「高校教師」「聖者の行進」のようなドラマを髣髴とさせる作品です。
少女とホストの物語ということですが、少女マンガのようなゆるーい展開ではなくて一貫してシリアス路線です。

お笑い要素なし!堤幸彦の本気

「愛なんていらねえよ、夏」は、あの「ケイゾク」や「TRICK」で有名な堤幸彦氏、「高校教師」「聖者の行進」の松原浩氏、堤氏とともに「SPEC」を製作した今井夏木とこの3人が演出を務め、チーフが堤氏、主演は渡部篤郎と広末涼子です。

これだけを見るとどんな作品になるのかはわかりませんが、とりあえず人気者の渡部篤郎と広末涼子が出ているのだし、「愛なんて~」というタイトルから想像してラブコメだろうと見てみたらビックリ。

裏切られました。いい意味で。

少女とホストの物語ということですが、少女マンガのようなゆるーい展開ではなくて一貫してシリアス路線。

堤作品には珍しくお笑い要素がありません。

当時のTBSの「高校教師」「聖者の行進」のようなドラマを髣髴とさせる作品。

隠れた傑作だと自分では思うのですが、放送当時は視聴率が悪く知名度も無かった。

TBSの金10枠は地味でもいい作品が多かったのですが。

こんなところにあの作品のあのシーンが

このドラマは渡部氏演じるホストのレイジが魅力的すぎます。

売れっ子ホストなのに小娘(広末氏演じる亜子のこと)一人も手玉に取れず(売れっ子ホストなのに!?)、ブンブン振り回される姿は男の優しさと悲しさが入り混じっていてとても魅力的に映ります。

愛なんて・・・、と言いながら亜子に惹かれるホストのレイジ。

そのレイジに憧れるホスト奈留に藤原竜也。

借金取りの森本レオ。

亜子の財産を狙う咲子(坂口良子)と濃厚な出演陣。ハードな展開と最近のライトなノリのドラマはイヤだという人にお勧めです。

個人的に注目なのは・・・海辺でレイジと亜子がたたずむシーン。

このシーンは堤監督の後のシリーズ「SPEC」で似たシーンがあります。

あと、最終話で出てくるインド料理店?のシーンの謎の老人軍団は「TRICK」を思い出させます。

こういう変わった視点で見るのも面白いですよ。

「愛なんていらねえよ、夏」おすすめです。

参考リンク:愛なんていらねえよ、夏

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どんな場でもとったらとりかえせを地で行くドラマ

中堅精密機メーカーを舞台に、破産まで追い詰められた状況から、会社を守り抜く男たちの奮闘が描かれたドラマです。
「ルーズヴェルト・ゲーム」の言葉の通り、点を取っても取り返す、野球部員たちと、社長をはじめとした社員の努力するシーンは見逃せません。

野球と経営両面の攻防戦

社会人野球と会社の存続をかけた大人のためのドラマ、「ルーズヴェルト・ゲーム」は、野球に興味がない人でも楽しめる上質のエンターテイメントです。

会社として生き残るために最善の行動をとるトップをはじめ、既存の考えに固執している部下や、ヘッドハンティングされてきた社長を気に入らない派閥との軋轢は、息をつかせぬほどの迫力があります。

愚直に働く野球部員と、野球部員に理解のない他の社員たちとの衝突や、野球部員それぞれの人間模様も、ドラマに膨らみを持たせていると感じます。

「ルーズヴェルト・ゲーム」の言葉の通り、点を取っても取り返す、野球部員たちの努力と、社長をはじめとした社員の努力、更に経営・野球双方のライバル企業たちとの攻防戦も見逃せません。

一度点を取られたら終わりではなく、取られたら取り返す、日本のビジネスパーソンの努力を見るためのドラマだと思います。

ビジネスにおける息詰まる攻防戦

ヘッドハンティングされてきた社長、細川の努力を社内の幹部たちが誰も理解しようとしていないところから、徐々に社内の様子が変化しているさまは、見ていて爽快感を感じます。

野球部の存続をかけて戦う野球部ナインの努力や、監督たちと徐々に深まる絆は、大人の友情を感じさせると思いました。

ライバル企業の社長たちのえげつない攻撃や、誰が敵で誰が味方なのか、わからないままで努力を重ねていく経営陣が見どころです。

明るく楽観的な社長秘書が、行き詰まる展開を和らげるキーパーソンといえます。ビジネスで疲れている人や、仕事で頑張らなければいけない人は心癒されるでしょう。

社会人野球というあまり知られていない題材を生かした好ドラマです。

原作のディテールにこだわった映像やキャスティング、シナリオは、原作ファンでも満足できると思います。

参考リンク:ルーズヴェルトゲーム